クマを家に近づけないために──秋田の住宅まわりで夏と秋に見直したい7つの場所【2025年の教訓から】
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朝、玄関を開ける前に、少しだけ外を見る。車庫のシャッターを開ける前に、物音がしないか耳をすませる。子どもを学校へ送り出す前に、近所のクマ出没情報を確認する。ゴミを出すとき、いつもの道でも周囲を見渡す。
以前なら、少し大げさに感じたかもしれません。しかし今の秋田では、こうした行動が「心配しすぎ」とは言い切れない状況になっています。
2025年、秋田県内ではクマの出没や人身被害が相次ぎました。報道によると、2025年4月から10月末までの秋田県内のクマによる人身被害は49件・56人にのぼり、全国最多とされています。また、11月の目撃件数は2,625件と報じられています。能代市では、2025年11月16日にイオン能代店へクマが侵入する出来事もあり、商業施設や住宅地も決して無関係ではないことを多くの県民が実感しました。
ただし、この記事でお伝えしたいのは「クマは怖いから外に出ないようにしましょう」という話ではありません。むしろ逆です。
クマを必要以上に怖がるのではなく、家のまわりに“クマを呼び寄せない環境”をつくること。それが、秋田で暮らす私たちにとって、これからますます大切になります。

美工舎は外壁塗装や屋根塗装の現場で、秋田市をはじめ、能代市、大館市、横手市、由利本荘市、山形県境に近い山間部など、県内各地の住宅にうかがっています。塗装工事では、外壁や屋根だけでなく、軒下、雨樋、物置の裏、庭木のまわり、車庫のそばなど、普段の生活では見落としがちな場所まで確認します。
そのなかで感じるのは、クマ対策は山だけの話ではなく、住まいの外まわりの管理とも深く関係しているということです。
収穫されずに残った柿や栗。物置のそばに置かれた米ぬかや肥料。車庫の奥にしまった食品。背丈ほどに伸びた家の裏の草木。人の目が届きにくい軒下や建物のすき間。
人間にとっては「少し片付いていない場所」でも、クマにとっては、食べ物のにおいがあり、身を隠せて、人に見つかりにくい場所かもしれません。
秋田市も、リンゴ・柿・栗などの果実、農作物、米ぬか、家畜飼料、生ゴミなどを放置しないよう注意を呼びかけています。コンポストの発酵臭や農機などで使われる機械油も、クマを誘引する原因になり得るとされています。
つまり、これからのクマ対策で大切なのは、特別な人だけが行う大がかりな対策ではありません。
家のまわりを見通しよくする。食べ物のにおいを外に出さない。物置や車庫を開けっぱなしにしない。子どもの通学路や近所の出没情報を家族で共有する。クマダスなどの出没マップを日常的に確認する。

こうした小さな行動の積み重ねが、クマを人里に近づけにくくします。
この記事では、クマの生態を細かく解説するだけではなく、秋田の住宅まわりで実際に見直したいポイントに絞ってお伝えします。
「うちは山から離れているから大丈夫」「住宅地だから出ないだろう」「庭の柿くらいなら問題ないだろう」
そう思っている方にこそ、一度読んでいただきたい内容です。
2026年春も警戒は続いている──秋田県は「ツキノワグマ出没警報」を発令

この記事を書いている2026年5月時点でも、秋田県内のクマへの警戒は続いています。
秋田県は、2026年4月のクマの目撃件数が増加し続けていることから、4月10日に発令した「ツキノワグマ出没注意報」を、4月14日に「ツキノワグマ出没警報」へ切り替えました。
発令期間は、令和8年4月14日から5月31日までとされています。県は、県民一人ひとりが注意し、人身事故を防ぐための対策を心がけるよう呼びかけています。
さらに、秋田県は2026年5月1日から5月31日までを「春のクマ事故防止キャンペーン」期間とし、春の山菜採りシーズンにおける事故防止を呼びかけています。例年、春は山菜採りなどで山に入る機会が増え、クマとの遭遇リスクが高まる時期です。
実際に、2026年5月5日には由利本荘市東由利蔵字下石田坂地内で、ツキノワグマによる人身事故が発生したと県が発表しています。県は、見通しの良い場所であっても、クマが水路に沿って移動している場合などは気づきにくいことがあるため、農作業など野外で活動する際は周囲に十分注意するよう呼びかけています。
つまり、2025年のクマ被害は「昨年だけの異常事態」ではありません。2026年の春も、秋田県内ではすでに警報が出され、実際の人身事故も発生しています。
だからこそ、この記事では「去年は大変だった」という振り返りだけではなく、これからの夏と秋をどう過ごすか、そして自宅の外まわりをどう見直すかを、より具体的に考えていきます。
クマ対策は「山」ではなく「家の外まわり」から考える時代へ
クマ対策というと、多くの方がまず思い浮かべるのは、山菜採りや登山、農作業中の注意かもしれません。もちろん、山に入るときの熊鈴やラジオ、複数人での行動は大切です。
しかし、2025年の秋田で強く感じられるのは、クマ対策の場所が山から住宅地へ広がっているということです。
秋田市の広報でも、市街地など人の生活圏でツキノワグマの目撃が相次いでおり、誰もが日常生活の中で注意と対策をする必要があると呼びかけています。
では、住宅地でできるクマ対策とは何でしょうか。
大きく分けると、次の2つです。
1つ目は、クマを呼び寄せるものを置かないこと。生ゴミ、果実、米ぬか、家畜飼料、ペットフード、野菜くずなどは、クマにとって強い誘引物になります。
2つ目は、クマが近づきやすい環境を減らすこと。草木が伸びた家の裏、使われていない物置、空き家の庭、暗くて人の目が届かない場所は、クマが身を隠しながら移動しやすい場所になります。
つまり、住宅地でのクマ対策は、単に「クマが出たら逃げる」という話ではありません。クマが来る理由を、家のまわりから一つずつ減らしていくことが大切です。
クマを呼び寄せやすい家まわりの7つの場所
ここからは、住宅の外まわりで特に注意したい場所を具体的に見ていきます。
外壁塗装や屋根塗装の現場でも、建物の裏手や軒下、庭木のまわりを確認することがあります。クマ対策の視点で見ると、普段あまり見ていない場所ほど注意が必要です。

1. 庭の柿・栗・りんごの木
秋田の住宅では、庭や敷地のすみに柿や栗、りんごの木がある家も少なくありません。昔からある木で、家族にとっては思い出のある木かもしれません。
しかし、収穫されずに残った果実や、地面に落ちた実は、クマにとって非常に魅力的な食べ物です。
秋田市は、クマの食べ物になる果実や農作物、米ぬか、家畜飼料、生ゴミなどを放置しないよう呼びかけ、栗や柿などの果樹も適切な時期に収穫するよう案内しています。
特に注意したいのは、次のような状態です。
高い場所の柿が取りきれず、枝に残っている
栗が地面に落ちたままになっている
りんごや柿が腐って甘いにおいを出している
空き家の庭木が放置されている
高齢のため収穫や剪定ができなくなっている
人間にとっては「今年は収穫しなかっただけ」でも、クマにとっては「簡単に食べ物が手に入る場所」です。
由利本荘市では、クマを誘引する柿・栗などの樹木について、伐採・運搬・処分費用の一部を補助する制度を設けています。市は、放置された柿や栗などの「放任果樹」はクマの格好のターゲットになると説明しています。
横手市でも、柿や栗などクマを誘引する果樹の伐採費用に関する補助制度が案内されており、残した果樹にクマが誘引された事案があるとして、管理できない果樹について注意を促しています。
もちろん、すべての果樹を切る必要があるわけではありません。大切なのは、収穫できるものは収穫し、落ちた実を放置しないことです。
収穫が難しい場合は、家族や近所、自治会で相談することも大切です。木の持ち主だけに負担を押しつけるのではなく、地域全体で「クマを呼ばない環境」をつくる意識が求められます。

2. 生ゴミを出す場所・勝手口まわり
クマは鼻が非常に利く動物です。人間にはわずかにしか感じないにおいでも、クマにとっては遠くからでもわかる可能性があります。
特に注意したいのが、生ゴミです。
秋田市は、家庭ごみについて、生ゴミのにおいが周囲に漏れないよう袋の口をきちんと縛り、収集日当日の朝6時から8時までの間にごみ集積所へ出すよう呼びかけています。収集日前日の夜や、当日の朝6時前に出すことは、クマを誘引する原因になり得るとされています。
次のような習慣がある場合は注意が必要です。
前日の夜にゴミを外へ出している
勝手口の外に一時的に生ゴミを置いている
ゴミ袋の口がしっかり閉じられていない
魚や肉のにおいが残るゴミを屋外に置いている
コンポストを住宅地や山沿いで使用している
「朝は忙しいから、前日の夜に出しておきたい」という気持ちはよくわかります。冬場や雨の日はなおさらです。
しかし、クマ対策の視点では、夜間から早朝にかけて屋外に食べ物のにおいを出すことは避けたい行動です。特に、山沿いや河川敷に近い地域、過去に出没情報がある地域では、ゴミ出しの時間を守ることが家族と地域を守ることにつながります。

3. 物置・車庫・納屋の中
物置や車庫、納屋は、クマ対策で見落とされやすい場所です。
外から見れば建物の中なので安心に感じますが、シャッターや戸が開いていたり、古くなった扉にすき間があったりすると、においに引き寄せられたクマが近づく可能性があります。
特に注意したいのは、次のようなものです。
米ぬか
肥料
家畜飼料
ペットフード
保存している野菜
漬物や発酵食品
収穫後の果物
生ゴミの一時置き
BBQ用品や食品の残り
秋田市は、米ぬかや家畜飼料、農作物などを放置しないよう呼びかけています。また、コンポストの発酵臭や農機などで使われる機械油も誘引の原因になり得るとしています。
農家の方や家庭菜園をしている方にとって、納屋や物置は日常的に使う場所です。しかし、クマから見れば、そこは食べ物のにおいが集まりやすい場所でもあります。
車庫や物置の対策としては、次のような点を確認しておきましょう。
扉やシャッターを開けっぱなしにしない
食品や米ぬかは密閉容器に入れる
収穫物を長期間放置しない
床にこぼれた米ぬかや野菜くずを片付ける
古い扉や破損した窓を補修する
夜間は必ず施錠する
車庫や物置は「家の一部」ではありますが、クマ対策では「においが漏れやすい外まわり」と考えた方が安全です。

4. 家の裏側・隣地境界・軒下
外壁塗装の現場で建物を確認すると、正面から見える部分はきれいに管理されていても、家の裏側や隣地境界は草木が伸びていたり、不要なものが置かれていたりすることがあります。
これは、どの家でも起こりやすいことです。普段の生活では、玄関まわりや駐車場、道路から見える部分に目が行きがちです。一方で、家の裏側、軒下、隣家との境界、物置の裏は、どうしても後回しになりやすい場所です。
しかし、クマ対策の視点では、こうした「人の目が届きにくい場所」が重要です。
草が伸びて見通しが悪い
物置や古材が積まれている
落ち葉や果実が溜まっている
軒下に不要物が置かれている
隣地との境界が藪のようになっている
裏口や勝手口まわりが暗い
こうした場所は、クマだけでなく、ハクビシン、タヌキ、ネズミ、スズメバチなどの害獣・害虫にとっても好都合な環境になりやすいです。
外壁や屋根の点検をするときは、建物そのものの劣化だけでなく、家の裏側に人が安全に回れる状態かも確認しておきたいところです。
草木をすべてなくす必要はありません。大切なのは、見通しをよくし、人が出入りしている気配を保つことです。

5. 空き家・使っていない小屋のまわり
秋田県内では、過疎化や高齢化により、空き家や使われていない小屋が増えています。住宅地の中に空き家があることも珍しくありません。
空き家そのものがすぐにクマを呼ぶわけではありませんが、庭木が伸び放題になり、柿や栗が放置され、草が藪のようになっている場合は注意が必要です。
由利本荘市も、近年、市街地・住宅地でクマの目撃が多発しており、放置された柿や栗などの放任果樹はクマの格好のターゲットになるとして、誘引樹木の伐採支援を行っています。
空き家で特に問題になりやすいのは、次の点です。
果樹が収穫されない
落ちた果実が腐っている
草木が伸びて見通しが悪い
建物の一部が壊れて動物が入りやすい
物置や小屋に古い食品・飼料が残っている
人の出入りがなく、クマが警戒しにくい
空き家は、所有者だけでなく、近隣住民にとっても安全上の問題になります。
もし近所に気になる空き家がある場合は、個人で無理に立ち入るのではなく、自治会や市町村に相談することが大切です。

6. 通学路・散歩道・ゴミ集積所までの道
クマ対策というと、自宅の敷地内ばかりに目が行きがちですが、日常生活で実際に危険が生じやすいのは、家から少し出た場所です。
たとえば、次のような場所です。
子どもの通学路
ゴミ集積所までの道
犬の散歩コース
早朝のウォーキングコース
用水路沿い
河川敷
林や藪に接した道路
街灯が少ない細道
秋田市は、クマとの不意の遭遇を避けるため、鈴やラジオなど音の出るものを身につけて人の存在を知らせること、複数人で行動することなどを呼びかけています。
家族で一度、普段の生活動線を確認してみましょう。
「子どもはどの道を通っているか」「ゴミ集積所までに暗い場所はないか」「犬の散歩で藪の近くを通っていないか」「近くに柿の木や栗の木が多い場所はないか」「夕方以降に人通りが少なくなる道はないか」こうした確認は、難しいことではありません。しかし、実際に家族で話し合っている家庭は意外と少ないかもしれません。
特に、子どもや高齢者は、最新の出没情報を自分で確認しにくい場合があります。家族LINEや電話、町内会の連絡網などを使って、情報を共有する仕組みをつくっておくと安心です。

7. 外壁・雨樋・軒下にできる「人の目が届きにくい場所」
塗装会社の目線で特にお伝えしたいのが、外壁や屋根まわりにも「人の目が届きにくい場所」があるということです。
たとえば、次のような場所です。
雨樋の下に落ち葉が溜まっている
軒下に古い段ボールや木材が置かれている
外壁の裏手に草が伸びている
勝手口まわりにゴミや不要物が置かれている
物置と外壁の間にすき間がある
古い波板やトタンが壊れている
外灯が切れていて夜間に暗い
これらは直接クマを呼ぶものではないかもしれません。しかし、食べ物のにおいや果実、ゴミ、藪と組み合わさることで、動物が近づきやすい環境になります。
外壁塗装や屋根塗装の点検では、普段なかなか見ない場所まで確認する機会があります。足場を組む前には、家のまわりを片付ける必要もあります。そのときに、クマ対策の視点で次のようなことを一緒に見直すとよいでしょう。
軒下に不要物がないか
雨樋の下に果実や落ち葉が溜まっていないか
家の裏側の草木が伸びすぎていないか
物置や車庫の扉が壊れていないか
食品や米ぬかを外に近い場所で保管していないか
庭木が外壁や屋根にかかりすぎていないか
夜間に真っ暗になる場所がないか
住まいの外まわりを整えることは、建物の美観や耐久性だけでなく、安全な暮らしにもつながります。

これからの夏と秋、秋田でどう過ごすべきか
クマ対策は、出没情報が出た日だけ気をつければよいものではありません。特に秋田では、春から夏にかけて活動が活発になり、秋には冬眠前のエサを求めて行動範囲が広がります。
つまり、夏と秋は「クマが出たらどうするか」ではなく、「クマが近づきにくい暮らし方に変える」ことが大切な季節です。
秋田市も、住宅地周辺の草刈り、果実・農作物・米ぬか・家畜飼料・生ゴミなどの放置防止、山やキャンプでの音出し・複数人行動・生ゴミ持ち帰りを呼びかけています。
ここでは、これからの夏と秋に向けて、秋田で暮らす私たちが具体的にどう過ごすべきかを整理します。
夏は「庭・車庫・ゴミ・散歩時間」を見直す季節
夏は草木が一気に伸び、家の裏側や物置のまわり、畑の隅が見えにくくなります。人間にとっては「少し草が伸びたな」程度でも、クマにとっては身を隠しながら移動しやすい通り道になります。
特に注意したいのは、次のような場所です。
家の裏側
物置や車庫の裏
隣家との境界
畑や家庭菜園のまわり
用水路・河川敷沿い
空き家の庭
通学路や散歩道に面した藪
夏にまず行いたいのは、草刈りと見通しの確保です。
草をすべて刈り尽くす必要はありません。大切なのは、家のまわりに「人の目が届く状態」をつくることです。クマは基本的に人との遭遇を避けようとしますが、藪や建物の陰が多い場所では、人もクマも互いに気づくのが遅れ、鉢合わせの危険が高まります。
外壁塗装の現場でも、家の裏側や軒下に草木が伸びすぎていると、足場作業や点検がしづらくなります。これは建物管理の面でも、クマ対策の面でも見直したいポイントです。

夏の朝夕は、散歩・ゴミ出し・畑仕事を「いつも通り」にしない
夏は日中の気温が高くなるため、人も動物も朝夕に動きやすくなります。早朝の犬の散歩、夕方の畑仕事、日が落ちてからのゴミ出しなどは、普段の習慣になっている家庭も多いでしょう。
しかし、クマの出没情報が近くで出ている時期は、いつもの行動にも少し注意が必要です。
たとえば、
早朝の犬の散歩は、藪や河川敷の近くを避ける
夕方以降の畑仕事は、できるだけ一人で行わない
ゴミ出しは前夜に行わず、収集日の朝に出す
玄関や勝手口を出る前に、周囲を一度確認する
クマ鈴やラジオなど、音の出るものを活用する
秋田市は、家庭ごみについて、収集日当日の朝6時から8時までに出すよう案内しており、前日夜や早すぎる時間に出すことはクマを誘引する原因になり得るとしています。
「毎日やっていることだから大丈夫」ではなく、出没情報がある時期は、日常の行動を少しだけ変えることが大切です。
夏休み・お盆は、子どもと帰省家族に注意を共有する
夏休みやお盆の時期は、子どもが外で遊ぶ時間が増えたり、県外から家族や親戚が帰省したりします。普段その地域に住んでいない人は、近所のクマ出没状況を知らないまま散歩や外出をしてしまうことがあります。
帰省する家族には、あらかじめ次のようなことを伝えておくと安心です。
最近、近所でクマの目撃情報があるか
子どもだけで外に出てよい場所・避ける場所
早朝や夕方に散歩してよいか
庭の果実や畑の作物に近づくときの注意
車庫や物置を開けっぱなしにしないこと
生ゴミやBBQ後の残りを外に置かないこと
キャンプや山沿いのレジャーでは、生ゴミを必ず持ち帰ることも重要です。秋田市も、キャンプなどで出た生ゴミは野生動物のエサになるため、必ず持ち帰って処分するよう呼びかけています。
子どもには難しい説明よりも、短く具体的に伝えるのが効果的です。
「クマを見たら近づかない」「写真を撮ろうとしない」「子グマを見ても絶対に近づかない」「すぐ大人に知らせる」この4つは、夏休み前に家族で確認しておきたい基本です。

コンポスト・生ゴミ・BBQ後のにおいに注意する
夏は気温が高く、生ゴミや食品のにおいが強くなりやすい季節です。人間には少し気になる程度でも、嗅覚の鋭いクマにとっては強い誘引物になります。
特に注意したいのは、次のようなものです。
生ゴミ
BBQ後の食材や油
魚や肉の残り
果物の皮
コンポストの発酵臭
ペットフード
米ぬか
農作物の残さ
秋田市は、コンポストについても、強いにおいが出るとクマを誘引する可能性があるとして、出没地域では利用を控えることを含めて注意を呼びかけています。
夏場は「においの管理」が非常に大切です。
ゴミ袋の口をしっかり縛る。屋外に一時置きしない。BBQ後の網や皿を外に放置しない。コンポストのにおいが強い場合は使い方を見直す。
こうした小さな管理が、家のまわりにクマを近づけないことにつながります。

秋は一年で最も注意したい「果実・収穫・冬眠前」の季節
秋は、クマにとって冬眠前の重要な時期です。山の木の実が少ない年は、柿や栗、りんご、農作物などを求めて人里へ出てくる可能性が高まります。
秋田の住宅地では、まさにこの「柿・栗」が重要なポイントになります。
特に2025年のように、秋田県内で市街地や住宅地の出没が相次いだ年を経験すると、秋の過ごし方そのものを見直す必要があります。秋は「実りの季節」である一方、クマにとっても冬眠前に体力をつけるための大切な時期です。
人間の生活圏にある果樹や農作物を放置すると、クマにとっては山の中より効率よく食べ物を得られる場所になってしまいます。

秋は「庭の柿をどうするか」を家族で決める
秋田の家には、昔から庭に柿の木がある住宅が少なくありません。以前は家族で収穫していた木も、高齢化や家族構成の変化で、今は取りきれずに残っていることがあります。
しかし、秋の柿はクマにとって非常に魅力的な食べ物です。
秋に向けて、家族で次のことを決めておきましょう。
今年、柿や栗を誰が収穫するか
高い場所の実をどう処理するか
落ちた実を誰が片付けるか
収穫できない木を今後どう管理するか
空き家や実家の果樹をどうするか
高齢の親だけに管理を任せていないか
横手市では、柿の木などに誘引されたクマが市街地に出没しているとして、実を収穫する予定がない柿の木などについて、補助を利用した伐採を強くすすめる案内も出されています。
「今年だけなら大丈夫」ではなく、毎年実がなる木は、毎年クマを呼ぶ原因になり得ます。

秋の農作業は、収穫後の片付けまでがクマ対策
秋は稲刈り、畑の片付け、果樹の収穫など、農作業が多くなる時期です。農業をしている方や家庭菜園をしている方は、作業そのものだけでなく、収穫後の片付けにも注意が必要です。
特に気をつけたいのは、次のような状態です。
傷んだ果物を畑の隅に置いている
収穫できなかった野菜をそのままにしている
米ぬかを屋外や納屋の入口近くに置いている
農作物を車庫や物置に長期間置いている
畑のまわりの草が伸びている
朝夕に一人で作業している
秋田市は、果実や農作物、米ぬか、家畜飼料、生ゴミなどを放置しないよう呼びかけています。
農作業の最後に「食べ物になるものが残っていないか」を確認することが、秋のクマ対策では重要です。

秋の夕暮れは想像以上に早い。外作業は明るいうちに終える
秋は日没が早くなります。夏と同じ感覚で夕方の作業をしていると、気づいたときには薄暗くなっていることがあります。
薄暗い時間帯は、人もクマも互いに気づきにくくなります。秋の畑仕事、庭木の片付け、物置整理、犬の散歩などは、できるだけ明るい時間に済ませるようにしましょう。
特に注意したいのは、
夕方の畑仕事
夕暮れ時の犬の散歩
薄暗くなってからのゴミ出し
車庫や納屋での一人作業
山沿いや河川敷近くのウォーキング
暗くなってから外に出る場合は、懐中電灯を持つ、音を出す、単独行動を避けるなど、少し慎重に行動することが大切です。

秋の行楽・きのこ採り・山歩きは「出没情報の確認」が前提
秋は、山歩きやきのこ採り、紅葉を見に行く機会も増えます。山に入る場合は、事前に出没情報を確認し、音の出るものを身につけ、できるだけ複数人で行動しましょう。
秋田県のツキノワグマ等情報マップシステム「クマダス」では、県内の出没情報を地図上で確認できます。位置情報に基づいて出没データを一覧表示し、検索やフィルタ機能も利用できます。
秋田県は、県LINE公式アカウントとクマダスの連携も開始しており、クマダスが発出する情報をLINEでも受け取れるようにしています。
秋の外出前には、
行き先周辺で出没情報がないか
早朝・夕方に山へ入らない計画になっているか
熊鈴やラジオを持っているか
食べ物やゴミを持ち帰る準備があるか
単独行動になっていないか
を確認しましょう。
夏から秋にかけて、家庭で作っておきたい「クマ対策ルール」
クマ対策は、思いついたときだけ行うより、家庭内のルールとして決めておく方が続けやすくなります。
たとえば、次のようなルールです。
1. ゴミは前夜に出さない
生ゴミは、クマを引き寄せる大きな原因になります。ゴミ出しは自治体のルールに従い、当日の朝に行うことを家族で徹底しましょう。
2. 庭の果実は落ちる前に収穫する
柿や栗は、落ちてから片付けるより、できるだけ早めに収穫する方が安全です。高い場所の実をどうするかも、早めに決めておきましょう。
3. 車庫・物置・納屋は夜に閉める
食品、米ぬか、肥料、農作物、ペットフードなどがある場所は、においで動物を引き寄せる可能性があります。夜間は扉を閉め、できれば施錠しましょう。
4. 子どもだけで藪や河川敷に近づかせない
夏休みや秋の夕方は、子どもだけで外に出る機会が増えます。出没情報がある地域では、遊ぶ場所や帰宅時間を家庭で決めておくことが大切です。
5. 家族LINEで出没情報を共有する
クマダス、市町村の防災メール、学校からの連絡などを、家族の誰か一人だけが知っている状態にしないことが大切です。特に高齢の親や子どもには、わかりやすく伝えましょう。
6. 外に出る前に「音」と「明るさ」を意識する
早朝・夕方・薄暗い場所では、鈴、ラジオ、声かけ、懐中電灯などを活用します。人の存在を先に知らせることが、鉢合わせを防ぐ基本です。
7. 家の裏側を月に1回確認する
夏から秋は、草木や果実、落ち葉が増える時期です。家の裏側、軒下、物置の裏、隣地境界を月に1回見るだけでも、危険サインに気づきやすくなります。

子どもを持つ家庭で決めておきたいこと
秋田で子どもを育てる親御さんにとって、クマの出没情報は大きな不安材料です。学校から連絡が来ることもありますが、家庭内でも事前に決めておきたいことがあります。
「クマを見たら近づかない」を家族で確認する
子どもにとって、子グマは「かわいい動物」に見えるかもしれません。しかし、子グマの近くには母グマがいる可能性があります。
子どもには、難しい説明よりも、短くはっきり伝えることが大切です。
クマを見たら近づかない。写真を撮ろうとしない。走って追いかけない。すぐに大人へ知らせる。
この4つだけでも、繰り返し話しておく価値があります。
登下校ルートを一緒に確認する
自宅から学校までの道で、藪、林、川沿い、空き地、果樹が多い場所がないか確認しましょう。
出没情報が出ている地域では、学校や自治体からの指示に従うことが大前提ですが、家庭でも「今日はこの道を通らない」「一人で帰らない」など、具体的に話しておくと安心です。
ゴミ出しや犬の散歩を子どもだけに任せない
早朝や夕方は、クマの活動時間と重なることがあります。クマ出没情報がある地域では、子どもだけでゴミ出しや犬の散歩に行かせないようにしましょう。
特に、犬の散歩は毎日の習慣なので油断しやすい行動です。いつもの道でも、出没情報がある日はルートを変える、時間をずらす、複数人で行くなどの工夫が必要です。
農業・家庭菜園をしている方が注意したいこと
秋田県内では、農業や家庭菜園をしている方も多くいます。畑や果樹、納屋、米ぬか、農機具などは、クマ対策と関係が深い場所です。
収穫残さを畑に放置しない
収穫後の野菜くずや傷んだ果物を畑のすみに置いたままにしていないでしょうか。人間にとっては処分前の一時置きでも、クマにとっては食べ物です。
米ぬかや飼料を屋外に置かない
米ぬか、家畜飼料、肥料などは、においで動物を引き寄せる可能性があります。秋田市も、米ぬかや家畜飼料などを放置しないよう呼びかけています。
保管する場合は、密閉できる容器に入れ、できるだけ屋内や施錠できる場所に置きましょう。
朝夕の作業は音を出す
畑や山沿いで作業する場合は、熊鈴、ラジオ、声かけなどで人の存在を知らせることが大切です。秋田市も、クマとの不意の遭遇を避けるため、音の出るものを身につけることを呼びかけています。
「いつもの畑だから大丈夫」と思わず、特に出没情報が出ている時期は注意しましょう。

自治会・町内でできるクマ対策
クマ対策は、一軒だけで完結するものではありません。自宅のまわりをきれいにしていても、近くに放任果樹や空き家、藪があれば、クマが地域に近づく可能性は残ります。
だからこそ、自治会や町内での取り組みが大切です。
出没情報を共有する
クマダスや市町村の防災メール、学校からの連絡などを、地域の中で共有しましょう。スマートフォンを使い慣れていない高齢者には、紙の回覧や電話、近所同士の声かけも有効です。
放任果樹を把握する
地域内に、収穫されていない柿や栗の木がないか確認します。所有者がわかる場合は、勝手に処理するのではなく、相談しながら対応することが大切です。
市町村によっては、放任果樹の伐採費用の補助や、ごみ処理手数料の免除を行っている場合があります。由利本荘市や横手市では、クマ対策として柿・栗などに関する支援策が案内されています。
通学路やゴミ集積所周辺を点検する
通学路、ゴミ集積所、集会所、バス停の周辺に、藪や果樹、見通しの悪い場所がないか確認します。
特に、子どもや高齢者が使う場所は優先的に見直したいところです。
空き家の管理を相談する
空き家の庭に果樹がある、草が伸びている、物置が壊れているといった場合は、自治会や市町村に相談しましょう。所有者の問題もあるため、近隣住民だけで無理に対応しないことが大切です。

「クマを悪者にしない」ことも大切
ここまで対策を多く書いてきましたが、忘れてはいけないことがあります。
クマは、人間を困らせるために街へ出てきているわけではありません。クマもまた、秋田の自然の中で生きる野生動物です。
問題は、人間の生活圏とクマの行動範囲が近づきすぎていること。そして、人里に食べ物がある状態を私たちがつくってしまっていることです。
クマを必要以上に悪者扱いするのではなく、人の命と暮らしを守るために、クマが人里へ来る理由を減らす。この考え方が重要です。
環境省は2024年4月、ヒグマ・ツキノワグマを「指定管理鳥獣」に追加しました。これにより、都道府県が捕獲や追い払い、緩衝帯整備などの対策を進めやすくなっています。
行政、地域、家庭、それぞれができることを積み重ねることで、人とクマの距離を適切に保つことができます。
外壁塗装・屋根塗装の点検は、家の外まわりを見直す機会にもなる
外壁塗装や屋根塗装は、建物をきれいにするためだけの工事ではありません。
工事前には、建物のまわりを確認し、足場を組むスペースを確保し、外壁や軒下、雨樋、屋根まわりの状態を見ます。普段あまり見ない家の裏側や、物置の横、庭木のまわりに目を向ける機会にもなります。
そのとき、次のような点も一緒に確認してみてください。
家の裏側に草木が伸びすぎていないか
軒下や雨樋の下に落ち葉や果実が溜まっていないか
勝手口まわりにゴミを一時置きしていないか
物置や車庫の扉が壊れていないか
庭木が外壁や屋根にかかりすぎていないか
人が通らない場所が藪のようになっていないか
空きスペースに不要物が増えていないか
これらは、塗装工事の品質にも関わる部分です。外壁に草木が触れていれば湿気がこもりやすくなり、劣化を早めることがあります。雨樋に落ち葉が詰まれば、雨水がうまく流れず、外壁や軒天の傷みにつながることもあります。
つまり、住まいの外まわりを整えることは、クマ対策だけでなく、建物を長持ちさせることにもつながるのです。
夏と秋を安心して過ごすために、まずは住まいの外側を見直そう
2025年の秋田では、クマの出没がこれまで以上に身近な問題になりました。山沿いの地域だけでなく、住宅地、商業施設、学校周辺、車庫や庭先など、私たちの日常生活に近い場所で注意が必要になっています。
しかし、ただ不安になるだけでは、暮らしは守れません。
大切なのは、クマが近づく理由を減らすことです。
生ゴミを前夜に出さない。庭の柿や栗を放置しない。物置や車庫を閉める。米ぬかや飼料を屋外に置かない。家の裏側や軒下を片付ける。通学路や散歩道の出没情報を確認する。家族や地域で情報を共有する。
夏は、草木・生ゴミ・車庫・散歩時間を見直す季節です。秋は、柿・栗・農作物・夕暮れの行動に注意する季節です。
こうした一つひとつは、決して難しいことではありません。けれども、それを地域全体で続けていくことが、秋田の暮らしを守る力になります。
秋田市の美工舎塗装工業は、外壁塗装・屋根塗装の専門会社として、これからも秋田の住まいと暮らしに役立つ情報を発信していきます。
外壁や屋根の傷み、雨樋の不具合、軒下や物置まわりの劣化など、気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
住まいの外側を整えることは、建物を守るだけでなく、家族の安心にもつながります。秋田で安心して暮らし続けるために、できることから一つずつ始めていきましょう。
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