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秋田県民は積雪量を見る。南九州の人はhPaを見る。

  • 13 時間前
  • 読了時間: 5分

「秋田は雪が大変ですよね」

県外の人と話すと、かなりの確率で言われます。


確かに大変です。冬が近づけばタイヤを替え、スノーダンプを出し、朝起きたらカーテンを開ける前に積雪量を確認する。雪国では、空から降ってくるものに少々詳しくなります。


では、台風がよく来る地域ではどうなのでしょう。


南九州では台風の年間接近数が平年3.9個。東北地方は2.7個なので、数字だけ見ると極端な差ではありません。ただし、南九州では夏から秋にかけて台風が続けて接近することもあり、台風情報を見る回数と生活への入り込み方が違います。


秋田県民が「今夜は何センチ積もるか」を気にするように、台風の多い地域では「何時に暴風域へ入るか」「風速はどのくらいか」「停電しそうか」を気にする。


同じ日本でも、天気予報の見方が少し違います。





台風情報で必ず登場する数字があります。


「中心気圧950hPa」


なんとなく、数字が小さいほど危ない。それだけは分かる。でもhPaが何なのかは、よく分からない。


hPaは「ヘクトパスカル」と読み、空気が押す力、つまり気圧を表す単位です。


ただし、意外なことに、台風の正式な「強さ」はhPaではなく最大風速で決まります。中心気圧が低いほど発達した台風である傾向はありますが、950hPaだから必ずこの風速になる、という単純なものではありません。


海の上では、気圧が1hPa下がると海面が約1cm持ち上がります。1000hPaだった場所へ950hPaの台風が来ると、気圧の影響だけで海面が約50cm上がる計算です。


台風は、風で海水を押し寄せるだけでなく、気圧で海面そのものを持ち上げているのです。

次に台風情報を見たとき、hPaが少しだけ具体的な数字に見えるかもしれません。





秋田では、雪の重みで雨どいが曲がったり外れたりします。


一方、鹿児島では雨どいに桜島の火山灰がたまります。そこへ台風の大雨が来ると、灰が水の流れを邪魔することがあります。


秋田の雨どいは雪と戦い、鹿児島の雨どいは火山灰と戦う。


雨どいは全国どこでも同じように見えますが、地域によって相手がまったく違います。





桜島の灰は、道路や車だけでなく、メガソーラーのパネルにも積もります。


灰で覆われれば、当然、太陽の光が届きにくい。そこで鹿児島には、ソーラーパネルを洗浄する専門業者までいます。


広大な敷地に並ぶ何万枚ものパネルを、専用の機械やブラシでひたすら洗う。


秋田で大雪が降ると除雪業者が動き、鹿児島で灰が降るとパネル洗浄業者が動くわけです。


しかも、洗浄にはお金がかかるため、発電所によっては「洗うべきか、雨が降るまで待つべきか」を考えることもあります。


晴れてほしいはずの太陽光発電所が、火山灰のあとだけは雨を待つ。

北は雪かき。南は灰かき。日本の太陽光発電も、なかなか忙しいようです。





沖縄の住宅情報を見ると、台風前の準備に「ペットボトルを凍らせる」が出てきます。


停電したときに冷蔵庫やクーラーボックスの保冷剤として使えるからです。スマートフォンやモバイルバッテリーを充電し、物干し竿や植木鉢を室内へ入れ、ベランダの排水口も掃除しておく。


台風が来てから何かをするのではなく、風が吹き始める前に生活を「台風仕様」へ切り替えています。


秋田で雪予報が出ると、灯油やガソリンの残量が気になるのと少し似ています。





沖縄には、台風の後に車だけでなく、窓や外壁などを水で流す家庭もあります。


強風で海から運ばれた塩分を洗い流すためです。塩分が残ると、金属や住宅設備の腐食につながります。沖縄の塩害に関する調査でも、台風後に外壁を洗浄する家庭があることが報告されています。


秋田では、冬が終わると融雪剤の塩分を落とすため車の下回りを洗う。

沖縄では、台風が過ぎると海から飛んできた塩を洗う。


ずいぶん離れていますが、やっていることは意外と似ています。





沖縄で塩害対策をしているのは、エアコンだけではありません。


給湯器も、エコキュートも、屋外に置かれる設備の多くが、最初から潮風を意識して作られています。


「耐塩害仕様」のさらに上には、「耐重塩害仕様」という、名前からして覚悟の違うモデルもあります。秋田の機械が寒さや雪への強さを求められるように、沖縄の機械は塩への強さを求められる。


本土では性能や電気代を比べるところで、沖縄ではそこに、

「ところで、これは塩に強いですか?」が、加わります。


沖縄では、人も家も機械も、海の近くで暮らす準備ができています。





台風の雨は、上から素直に降ってくるとは限りません。


横から吹きつけ、普段は雨が入らないサッシや外壁の隙間へ入り込みます。風そのものだけでなく、物干し竿や植木鉢、木の枝などが飛んで屋根や外壁にぶつかることもあります。


台風が家を一撃で破壊するというより、少し浮いていた屋根材、詰まっていた排水口、緩んでいた部材などを見つけ、そこから被害を広げていく。


少々嫌な言い方ですが、台風は家の弱点を探すのが上手です。





秋田県民は、雪の降り始める匂いや、重そうな雪をなんとなく感じ取ります。


台風が多い地域の人は、進路図や風速、hPaを見て、「今回は少し違いそうだ」と感じるのかもしれません。


雪国の冬支度も、南九州や沖縄の台風支度も、特別な防災技術というより、毎年の暮らしの中で身についた習慣です。


次に台風のニュースを見たら、進路だけでなくhPaにも注目してみてください。





台風の季節はまだ先ですが、突然の突風やゲリラ雷雨がいつ襲うとも限りません。屋根や外壁を見て「これ、前からこうだったかな?」と思ったら、美工舎塗装工業までご相談ください。


何ともなければ、それがいちばんです。

気になるところがあれば、状態を確認して必要な対応をご案内します。




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参考情報

本記事では、以下の公開情報を参考にしています。


 
 
 

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