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現場に来たのは「知らない人」だった話

  • 6 日前
  • 読了時間: 11分

有名な会社に頼んだはずなのに、現場に来たのは「どちら様?」状態だった…。


結論から言います。


外壁塗装は、会社名が塗るわけではありません。


塗るのは人です。


足場を組むのも人です。


高圧洗浄するのも人です。


外壁を見て「これは先に直した方がいいですね」と判断するのも人です。


会社名は、刷毛を持ちません。パンフレットも、ローラーを転がしません。きれいなショールームも、雨樋のゆがみを直してはくれません。


もちろん、有名な会社が悪いという話ではありません。大きな会社には大きな会社の安心感があります。


名前を知っている。広告を見たことがある。担当者がスーツ。パンフレットが分厚い。「保証があります」と言われる。


強いです。


スーツと保証と分厚いパンフレット。この3点セットを前にすると、人はだいたい安心します。


ただ、外壁塗装で本当に怖いのは、契約する時ではありません。


怖いのは、工事が始まってからです。


「あれ? この人たち、誰?」


「今日、どこまでやるの?」


「職人さん、現場のこと分かってる?」


「大丈夫ですって言うけど、何がどう大丈夫なの?」


この「ふわっとした不安」が、工事中にじわじわ育っていくことがあります。


植物なら良いのですが、不安は育てても何も実りません。





※以下は、外壁塗装で起こりがちな相談内容をもとにした架空の事例です。特定の会社や個人を指すものではありません。


秋田市にお住まいのA様は、以前から家の外まわりが気になっていました。


北側の外壁が、うっすら緑。玄関まわりには黒い雨だれ。屋根は昔より色が薄い。雨樋も、なんとなくまっすぐではない。


なんとなくです。


家の傷みは、だいたい最初は「なんとなく」から始まります。


なんとなく汚い。なんとなく古い。なんとなく曲がっている。なんとなく見なかったことにしたい。


そして人間は、見なかったことにする能力だけは妙に高いです。


A様もそうでした。


「まあ、まだ大丈夫だろう」


家を見上げるたびに、そう思っていました。というより、そう思いたかったのです。





ある日、A様は買い物先でリフォーム相談会を見かけました。


のぼり。チラシ。きれいなブース。感じの良い担当者。そして、誰でも名前を聞いたことがあるような会社名。


強い。


これは強いです。


外壁のことを相談すると、担当者はにこやかに言いました。


「屋根も外壁もまとめて対応できますよ」


「今ならキャンペーンもあります」


「保証もありますので安心です」


安心です。


この言葉、便利すぎます。


とりあえず「安心です」と言われると、人は少し安心します。たとえ、何がどう安心なのか、まだよく分かっていなくても。


A様は思いました。


「あの会社なら、変なことにはならないだろう」

そして後日、自宅を見てもらうことになりました。





数日後、見積もりが出ました。


高い。


思っていたより、だいぶ高い。


A様は一瞬、見積書を伏せました。見なかったことにしようとしました。


でも見積もりは、伏せても安くなりません。


担当者は説明します。


「しっかりした工事ですので」


「保証も含まれていますので」


「安い工事には安い理由がありますので」


…たしかにそうです。


安すぎる工事は怖い。知らない業者も怖い。だったら、有名な会社に頼んだ方が安心なのではないか。


A様はそう考えました。


そして契約しました。


この時点では、まだ後悔していません。


むしろ、少し安心していました。


大きな会社に頼んだ。保証もある。担当者も感じが良い。これで外壁の悩みから解放される。


そう思っていました。





足場の日。


朝、トラックが来ました。作業員さんも来ました。


ただ、A様は思いました。


「この人たち、誰?」


もちろん、工事なので職人さんが来るのは当然です。問題はそこではありません。


誰が責任者なのか。今日何をするのか。どこまで進むのか。近隣への説明はどうなっているのか。何かあったら誰に聞けばいいのか。


そのあたりが、思ったより分からない。


A様は担当者に連絡しました。「今日から足場なんですね」。


すると返事は、「はい、予定通りです」。


予定通り。


たしかに予定通りなのでしょう。


でも、A様が知りたいのは予定通りかどうかではありません。


「私は今、誰に何を任せているんですか?」という話です。


外壁塗装は、家の外側をしばらく他人に預ける工事です。


言ってしまえば、家の服を脱がせて、洗って、直して、着せ替えるようなものです。


それなのに、誰が担当しているのかよく分からない。


これは不安になります。


家、半裸ですから。





工事が進むにつれて、A様の中に小さな違和感が増えていきました。


外壁のひび割れを見つけて聞く。


「ここ、大丈夫ですか?」

「大丈夫です」


屋根のサビが気になって聞く。


「ここはどう処理するんですか?」

「ちゃんとやりますので大丈夫です」


雨樋のゆがみを聞く。


「これは直すんですか?」

「確認しておきます」


大丈夫。


ちゃんと。


確認します。


便利な言葉たちです。


でも、A様が本当に知りたかったのは、その先でした。


なぜ大丈夫なのか。どうちゃんとやるのか。誰が確認するのか。確認した結果、どう判断したのか。


ここが分からないと、人は安心できません。


「大丈夫です」と言われるほど、逆に大丈夫じゃない気がしてくる時があります。

不思議です。


たぶん、人間の防衛本能です。






外壁塗装の怖いところは、完成した瞬間だけ見ると、たいてい綺麗に見えることです。


色が変わる。ツヤが出る。足場が外れる。家が明るくなる。


「おお、綺麗になった」となります。


でも、外壁塗装で本当に大事なのは、完成写真に写りにくい部分です。


洗浄は十分だったか。ひび割れは処理したか。古いコーキングはどうしたか。下塗りは外壁に合っていたか。屋根のサビは落としたか。塗料の乾燥時間は守られたか。雨樋や破風板の傷みは見たか。


ここは、一般の方が完成後に見ても分かりにくい部分です。


つまり、外壁塗装は「綺麗になった」だけでは判断しにくい工事です。


ここが怖い。


家が綺麗になったように見えても、内心はこうです。


「本当にちゃんとやってくれたんだよね?」


家の前で静かに疑心暗鬼。


なかなか嫌な時間です。






ここは大事です。


下請け業者さんが悪いという話ではありません。協力業者さんが入ること自体も、珍しいことではありません。


腕の良い職人さんもたくさんいます。

問題は、そこではありません。


お客様から見た時に、

誰が現場を管理しているのか。


誰が職人さんに指示しているのか。


誰が仕上がりを確認しているのか。


不安があった時、誰が説明するのか。


何かあった時、誰が責任を持つのか。


ここが見えないことが問題です。


会社名は知っている。担当者の顔も知っている。でも、現場で自分の家を見ている人が誰なのか分からない。


これは不安になります。


たとえるなら、有名シェフの看板を見てレストランに入ったのに、厨房の奥で誰が作っているのかまったく分からない状態です。


もちろん料理が美味しければ良いのですが、もし味が変だった時に、「シェフは本日不在です」と言われたら、ちょっと待てとなります。


外壁塗装も同じです。


塗った人が誰か分からない。見た人が誰か分からない。説明できる人がいない。


これは、食べログなら星を付ける前に一度深呼吸する案件です。





外壁塗装の見積もりでよくあるのが、

高い見積もりを見て、「高いからしっかりしているのだろう」

安い見積もりを見て、「安いから怪しいのだろう」

という判断です。


気持ちは分かります。


でも、これは少し雑です。


高くても、内容が分かりにくければ不安です。安くても、理由が明確なら納得できる場合があります。


大事なのは金額だけではありません。


何にいくらかかっているのか。どこまで補修するのか。どの塗料を使うのか。何回塗るのか。足場、洗浄、下地処理、コーキング、付帯部はどうなっているのか。

見積もりの中身が分かるかどうかです。


「一式」が多すぎる見積もりは、読んでいる側の脳が停止します。

外壁塗装工事一式。


付帯部塗装一式。


補修工事一式。


特別値引き一式。


もはや一式祭りです。


一式の神輿が出ています。


ワッショイしている場合ではありません。


もちろん、見積もり上どうしても一式表記になる項目もあります。ただ、何でもかんでも一式だと、何をどうするのか分かりません。


分からないものに大きなお金を払うのは、誰でも不安です。





秋田の家は、外壁だけ見ればよいわけではありません。


冬は雪。春は風。梅雨は雨。夏は日差し。秋も雨と風。そして、また冬。

家からしたら、なかなかのハード勤務です。


屋根は焼かれ、雪に押され、雨に打たれます。雨樋は雪でゆがむことがあります。雪止めが傷むこともあります。破風板や軒天が傷むこともあります。外壁下部が凍害の影響を受けることもあります。


つまり、秋田の外装は「塗れば終わり」とは限りません。


塗装で済む部分もあります。補修が必要な部分もあります。大工工事が必要な部分もあります。外壁張替やカバー工法を考えた方がよい場合もあります。


ここを見ずに、ただ綺麗に塗るだけだと、あとから別の不具合が出ることがあります。

家は、外壁だけで生きているわけではありません。


屋根もいます。雨樋もいます。軒天もいます。破風板もいます。雪止めもいます。

外装、意外と大家族です。

大家族なのに、外壁だけ化粧しても、屋根が「俺も見てくれ」と言っているかもしれません。


もちろん、屋根はしゃべりません。


でも、サビます。色あせます。浮きます。


無口なわりに、態度には出ます。






工事が終わったあと、A様の家は綺麗になりました。


見た目は変わりました。外壁も明るくなりました。近所の人からも「綺麗になったね」と言われました。


でも、A様の中には、少しだけモヤモヤが残りました。


なぜか。


最後まで、「誰が見て、誰が判断して、誰が責任を持ってくれたのか」がよく分からなかったからです。


見た目は綺麗。でも、気持ちは少し曇り。


外壁は晴れたのに、心は曇天。


これは、外壁塗装としてはなかなか惜しい終わり方です。


せっかく高いお金を払って家を綺麗にするなら、最後はこう思いたいはずです。


「綺麗になった」だけではなく、「ちゃんと見てもらえてよかった」…。


外壁の色だけでなく、不安も塗り替わってほしいのです。





有名な会社が悪いわけではありません。大きな会社が悪いわけでもありません。下請けが悪いわけでもありません。


ただ、外壁塗装を考える時は、会社名だけで安心しすぎない方が良いです。


見てほしいのは、もう少し地味なところです。


質問した時に、ちゃんと答えてくれるか。


現場を見て説明してくれるか。


塗装で済む部分と、補修が必要な部分を分けて話してくれるか。


見積もりの中身が分かるか。


工事中の流れを説明してくれるか。


何かあった時に、誰に聞けばよいか分かるか。


こういうところです。


地味です。


ものすごく地味です。


でも、外壁塗装で後悔しないためには、この地味な部分がかなり大切です。


派手なチラシより、地味な説明。


大きな看板より、現場を見る目。


「安心です」の一言より、「なぜ安心なのか」の説明。


外壁塗装は、そこに差が出ます。





美工舎では、屋根・外壁塗装だけでなく、雨樋、雪止め、外壁張替、カバー工法、大工補修など、外装まわりのご相談を承っています。


外壁が汚れている。


屋根が色あせている。


雨樋が曲がっている。


雪止めが気になる。


外壁を塗ればいいのか、張り替えた方がいいのか分からない。


見積もりを見ても、何が正しいのか分からない。



そんな段階からでも大丈夫です。


むしろ、分からない段階で相談していただいた方が良いです。


分からないまま契約して、工事が始まってから「あれ? この人たち誰?」となるより、ずっと良いです。


外壁塗装は、会社名だけで決める工事ではありません。


自分の家を誰が見てくれるのか。


誰が説明してくれるのか


。誰が工事を管理してくれるのか。


そして、何かあった時に誰が向き合ってくれるのか。


そこまで見てから決めても、遅くありません。


むしろ、そこを見ないで決める方が、少し怖いです。


家はしゃべりません。


でも、外壁の汚れ、屋根のサビ、雨樋のゆがみ、雪止めの傷みで、かなり態度に出ます。


無口な家ほど、見てあげる必要があります。


外壁塗装は、家の見た目を変える工事です。でも同時に、これからも安心して住むための工事でもあります。


どうせなら、塗った後にこう思える方が良いです。


「綺麗になった」だけではなく、「ちゃんと見てもらえてよかった」。


美工舎は、そんな外装リフォームを大切にしています。




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参考情報

本記事では、以下の公的機関・専門団体等の公開情報を参考にしています。


 
 
 

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